改訂新版 世界大百科事典 「バリウム鉱物」の意味・わかりやすい解説
バリウム鉱物 (バリウムこうぶつ)
barium mineral
バリウムを主要化学成分として含有する鉱物。特殊な水酸化鉱物,炭酸塩,硫酸塩などの塩類鉱物およびケイ酸塩鉱物として産出する。ケイ酸塩鉱物以外は熱水作用,温泉作用などにより生成する。水酸化鉱物としては,硬マンガン鉱romanechite BaMn2⁺Mn4⁺8O16(OH)4に含有される。さらに炭酸塩としての毒重石witherite BaCO3,硫酸塩としての重晶石barite BaSO4などが知られ,バリウムの原料鉱物として重要である。ケイ酸塩鉱物としては栃木県のマンガン鉱山(加蘇鉱山)より発見された加蘇長石の端成分であるバリウム長石(セルシアンcelsian)BaAl2SiO8などの鉱物が存在する。
執筆者:湊 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報