バルト=フィン諸語(読み)バルト=フィンしょご(その他表記)Balto-Finnic languages

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルト=フィン諸語」の意味・わかりやすい解説

バルト=フィン諸語
バルト=フィンしょご
Balto-Finnic languages

ウラル語族フィン=ウゴル語派フィン語派の下位区分をなす諸言語。バルト海沿岸に話されている。フィンランド語 (自称スオミ語) が最も有力で,話し手は約 500万人。次いでエストニア語の約 100万人,カレリア語の約8万人。ウェプセ語リーウ語ウォート語などもこれらと近い関係にあり,ここに含まれるが,話し手の数は少い。これらはすべて第1音節に固定強さアクセントをもつ。エストニア語,リーウ語以外は母音調和をもつ。ウェプセ語,リーウ語以外は子音階程交替をもっている。

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世界大百科事典(旧版)内のバルト=フィン諸語の言及

【ウラル語族】より

…ウラル語族はまずフィン・ウゴル語派サモエード諸語に大別される。さらにフィン・ウゴル語派は,バルト・フィン諸語Balto‐Finnic(フィンランド語,カレリア語,エストニア語,ボート語ほか)やモルドビン語,チェレミス語(マリ語),ボチャーク語(ウドムルト語),ジリャン語(コミ語)などを含むフィン語派Finnicと,ハンガリー語,ボグル語(マンシ語),オスチャーク語(ハンティ語)などを含むウゴル語派Ugrianに区分される(図)。これら言語の間には基本的語彙に厳密な音韻の対応が見られる。…

【フィン・ウゴル語派】より

ウラル語族はフィン・ウゴル語派とサモエード諸語に大別され,前者はさらにフィン系とウゴル系に分かれる。フィン系にはバルト・フィン諸語,ラップ語(サーミ語),モルドビン語,チェレミス語(マリ語),ジリャン語(コミ語),ボチャーク語(ウドムルト語)があり,バルト・フィン諸語はフィンランド語,エストニア語,カレリア語,ベプス語,リーブ語,ボート語を含む。ウゴル系はハンガリー語とオビ・ウゴル語に分かれ,後者はオスチャーク語(ハンティ語)とボグル語(マンシ語)から成る。…

【フィンランド語】より

ウラル語族フィン・ウゴル語派中のバルト・フィン諸語に属する言語でフィンランド共和国で話されている。人口470万中94%がフィンランド語を用い,他はスウェーデン語を使っている。…

※「バルト=フィン諸語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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