ロシア連邦のカレリア共和国内とボルガ川上流のトベーリ(旧カリーニン)市付近に住むカレリア族の言語。系統的にはウラル語族のフィン語派に属するバルト・フィン諸語のひとつである。言語人口は14万6000あまり。このうち8万9000人がカレリア共和国内に住む。方言はラドガとオネガ両湖以北の北部方言とラドガ湖北東のアウヌス(あるいはオロネツ)方言およびトベーリ市付近の南部方言に分かれる。アウヌス方言の東ではリュード語Ludicが話されるが,これはバルト・フィン系のベプス語の影響を強く受けている。カレリア語はフィンランド語にきわめて近いが,ロシア語の圧力を受けている。8母音は母音調和に従う。kala〈魚〉,kül'ä〈村〉。子音は階程交替を行う。kukka〈花が〉,kukan〈花の〉。ただし,歯茎音にはn'äl'gä〈市〉のように硬口蓋化が見られ,有声子音をもつ(jogi〈川〉)。名詞は13格に変化するが,フィンランド語の格用法に対応している。最古の記録は13世紀にさかのぼる。
執筆者:小泉 保
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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