バルバリア海賊(読み)ばるばりあかいぞく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルバリア海賊」の意味・わかりやすい解説

バルバリア海賊
ばるばりあかいぞく

14~19世紀に西地中海で活動したオスマン帝国海軍のヨーロッパ諸国からの呼称。バルバリアBarbariaとは現在のマグレブ諸国の旧称である。当時チュニス、アルジェなどマグレブ地方の港を基地とする貿易船団がイタリア、スペインほかのヨーロッパ船団と西地中海を舞台に激しい競争を繰り広げた。通商活動が主目的であったが、通商圏を維持するために、相互に課税したほか略奪行為も行われ、乗客人質にとって奴隷にしたり、身代金を請求したりしたこともあった。そこで、ヨーロッパ諸国の側からはバルバリア海賊とよんで恐れたのである。その最盛期は16世紀で、「赤ひげ」とよばれたハイレッディンやドラグト・ライスなどの高名な海賊(オスマン帝国側からみると海軍提督)がいた。ナポレオン戦争後に、ヨーロッパ側が地中海の制海権を確保するとともにバルバリア海賊の時代は終わった。

[宮治一雄]

『S・レーン・ブール著、前嶋信次訳『バルバリア海賊盛衰記』(1981・リブロポート)』

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