バロス(その他表記)João de Barros

改訂新版 世界大百科事典 「バロス」の意味・わかりやすい解説

バロス
João de Barros
生没年:1497-1562

ポルトガルの歴史家。宮廷役人の子として生まれ,宮廷で育てられ教育を受けた。高級官吏としても有能であったが,すぐれた文筆家でもあり,ポルトガル・ルネサンス期の典型的な知識人でもあった。〈歴史家〉としての彼の主著は《アジア史》4巻(1552-1615)である。これは,彼自身の構想になる膨大な百科全書的作品の一部をなすはずのものであった。その目的は東洋におけるポルトガル人の事績をたたえる記念碑たらしめることであり,ポルトガル人による東洋進出はイベリア半島における国土回復戦争の延長線上にある〈十字軍運動〉であるとする主張に立っている。また〈教育者〉としての彼には《ポルトガル語文法》(1540)がある。これはオリベイラFernão de Oliveira(1507?-81ころ)の《ポルトガル語文法》(1536)と並んで,16世紀のポルトガル語を知るうえで不可欠なものである。ほかに《皇帝クラリムンド年代記》(1522),《ロピカプネフマ》(1532)などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバロスの言及

【熱帯黒色土壌】より

…熱帯を中心に亜熱帯から暖温帯にまで分布する粘土質で暗色の土壌に対する総称で,いくつかの土壌型が含まれる。インドのレグールregurや黒綿土(こくめんど)black cotton soil,インドネシアのマーガライト土margallitic soil,中央アフリカの熱帯チェルノーゼム,スーダンのバドーブbadob soil,南アフリカのフライvlei soil,北アフリカのティルtir,ポルトガルのバロスbarros,バルカンのスモニッツァsmonitzaまたはスモルニッツァsmolnitza,オーストラリアの黒色土,アメリカのグルムソルgrumsolなど多くの地方名があり,アメリカ合衆国の土壌分類体系《Soil Taxonomy》(1975)ではバーティソル目に含まれている。これらに共通する特徴は,モンモリロナイト質粘土に富み,乾季に乾燥するといちじるしく収縮して大きな亀裂を生じ,雨季に湿ると膨潤して亀裂が閉じることが毎年反復されるので,土塊が摩擦し合って鏡肌とよばれる特有な平滑な面ができ,地表にはギルガイgilgaiとよばれる凹凸のある微地形を生ずることである。…

※「バロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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