主張(読み)しゅちょう

精選版 日本国語大辞典 「主張」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐ちょう ‥チャウ【主張】

〘名〙
① 主としておしはること。主となって維持すること。
四河入海(17C前)一三「是がはびこりて、独り東北の隅を領じて主張としているぞ」 〔宋史‐徐中行伝〕
② 主宰すること。つかさどること。
新編覆醤集(1676)一・題豊国神廟壁「英霊飛散無巫祝、秋月春風作主張」 〔荘子天運
自分意見を言いはること。自分の意見を言い続けること。また、その意見。持論
※通俗赤縄奇縁(1761)一「若(もし)姨娘の主張(シュチャウ)(〈注〉レウケン)によりて、此を従良することを得ば、その功徳は九級浮図を造るより勝るべし」 〔韓愈‐送窮文〕
民事訴訟で、原告または被告が自己に有利な具体的法律効果あるいは事実を陳述すること。〔現代大辞典(1922)〕

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デジタル大辞泉 「主張」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐ちょう〔‐チヤウ〕【主張】

[名](スル)自分の意見や持論を他に認めさせようとして、強く言い張ること。また、その意見や持論。「主張を通す」「自説主張する」
[類語]力説強調叫ぶ強弁こじつけ我田引水牽強付会事寄せる意見見解所説所論持説持論私見私意私考所思所見考え見方オピニオン尊敬貴意高見謙譲愚見卑見私見管見

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改訂新版 世界大百科事典 「主張」の意味・わかりやすい解説

主張 (しゅちょう)

裁判等において,第三者が紛争事件につき判断をするためには,紛争当事者からそれぞれの言い分をきくことが必要なことであるし,また妥当なことでもある。この〈それぞれの言い分をきく〉ことを訴訟当事者側から表現すれば,〈主張する〉ということになる。このように当事者が申立てを基礎づけるために行う訴訟行為を,主張という。主張は陳述ともいわれ,法律上の主張と事実上の主張に大別される。前者特定の権利または法律関係に関する自己の認識または判断を報告する陳述をいう。とくに訴訟物に関する原告の主張は請求といわれる。後者は法律上の主張を基礎づける具体的な事実を裁判所に報告する陳述をいう。後者のうち要件事実(主要事実)の主張については,弁論主義の妥当する領域の民事訴訟のもとでは,当事者から〈主張〉として行われなければ裁判の基礎にすることができない(主張責任)。事実上の主張に対応する相手方態度は,否認,不知,自白沈黙のいずれかである。
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普及版 字通 「主張」の読み・字形・画数・意味

【主張】しゆちよう(ちやう)

支配する。意見をいう。〔荘子、天運〕天は其れ(めぐ)れるか。地は其れ處(を)るか。日は其れを爭ふか。孰(たれ)か是れを張し、孰か是れを維綱する。孰か无事(ぶじ)に居りて、推して是れを行ふ。

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