改訂新版 世界大百科事典 の解説
バーデン・ビュルテンベルク
Baden-Württemberg
ドイツ南西部の州(ラント)。面積3万5750km2,人口1072万(2004)。州都シュトゥットガルト。おもな都市として他にマンハイム,カールスルーエ,フライブルク,ハイデルベルク等がある。ドイツの南西端に位置し,西はフランス,南はスイスと境を接している。歴史的にはドイツの旧領邦バーデン(大公国)とビュルテンベルク(王国)を主たる母体にしているが,直接の前身は第2次大戦後1945年につくられたビュルテンベルク・バーデン州(アメリカ占領地区)とビュルテンベルク・ホーエンツォレルン州およびバーデン州(フランス占領地区)の3州で,これが1951年の住民投票の結果に基づき52年に結合されてできた州である。ただしバーデン地区においては歴史的バーデンへの愛着からビュルテンベルクとの統合に反対するものが多く,統合は難航した。53年の州憲法の下で議会制の州政治が行われているが,伝統的にキリスト教民主同盟の力が強い。ライン川沿いに上部ライン平原が伸びているほかは,シュワルツワルト,オーデンワルト,シュウェービッシェ・アルプ等山地や丘陵地が多く,森林に恵まれた風光明媚な土地である。
執筆者:坂井 栄八郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報