バーマナ(その他表記)Vāmana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーマナ」の意味・わかりやすい解説

バーマナ
Vāmana

サンスクリット語で,矮人の意。ヒンドゥー教ビシュヌ派最高神であるビシュヌ化身の一つ。悪魔バリから世界を奪還するためにビシュヌはバーマナ人となって,バリに自分が3歩歩く広さの土地を譲ってくれと依頼する。バリが承知すると,彼はもとの姿に戻り3歩歩いたが,それは天,地,地下の世界を闊歩するものであったという神話背景とする。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバーマナの言及

【インド神話】より

…プラーナ文献において,ビシュヌの化身(アバターラavatāra)神話が整備された。化身の種類と数については種々の説があり,必ずしも一定しないが,特に,猪(バラーハ),人獅子(ヌリシンハ),亀(クールマ),侏儒(バーマナ),魚(マツヤ),ラーマ,パラシュラーマParaśurāma,クリシュナ,ブッダ,カルキKalkiの10種の化身が最も一般的である。ビシュヌは猪となり,水没していた大地をその牙で救い上げ,悪魔ヒラニヤークシャを殺した。…

※「バーマナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android