化学辞典 第2版 「ヒドロホウ素化」の解説
ヒドロホウ素化
ヒドロホウソカ
hydroboration
ハイドロボレーションともいう.ジボラン,アルキルボランなどのB-H結合を有する化合物が,B-H結合で切断されてオレフィンに付加する反応をいう.
2CH3CH=CH2 + B2H6 → 2CH3CH2CH2BH2
(モノアルキルボラン)
C3H7BH2 + CH3CH=CH2 → (C3H7)2BH
(ジアルキルボラン)
などの反応がこれにあたり,Bは置換基の少ない炭素に結合する.これらの生成ホウ素化物は反応性に富み,この生成物を容易にほかの置換基を有する化合物にかえることができる.たとえば,アルカリ性過酸化水素で酸化すると,ホウ素の位置のアルコールが得られる.マルコウニコフ則に従ったハロゲン化合物から誘導する場合とは逆の位置にヒドロキシ基を入れうるので,有機合成化学上,重要な反応の一つである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報