化学辞典 第2版 「マルコウニコフ則」の解説
マルコウニコフ則
マルコウニコフソク
Markovnikov rule
V. Markovnikov(マルコウニコフ,1868年)によって見いだされた経験則.非対称のオレフィンにハロゲン化水素が付加する際,より多くの水素原子と結合しているC原子に水素が付加し,ハロゲンはもう一方のC原子に付加するという一般則.これは,二重結合にプロトンの付加が起こり,より安定な多置換炭素陽イオンを経由するためである.たとえば,塩化水素の付加を一般式で示すと次のようになる.
この法則は,一般の極性付加反応に拡張して適用されている.付加する極性分子のイオン開裂を含まない反応の場合は,逆方向の付加(逆マルコウニコフ付加)が起こる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報