ジボラン(英語表記)diborane

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジボラン」の意味・わかりやすい解説

ジボラン
diborane

化学式 B2H6 。化学的に活発な,揮発性の水素ホウ素 (ボラン ) の1つ。これらは 1912~36年に A.ストックらによって合成された。ジボランは高級水素化ホウ素の出発物質として重要。融点-165.5℃,沸点-92.5℃。常温では比較的安定であるが,湿気があると自然発火する。強い還元作用があり,アルコールと反応して水素を発生し,常温で多くの有機化合物を還元する。水に触れると瞬間的に加水分解し,ホウ酸を生じる。ホウ素の中性子吸収断面積が大きいので,中性子カウンターの材料に使われる。また高い燃焼熱を利用して航空機,ロケット用燃料に使われる。すぐれた還元剤として有機合成にも利用される。

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