日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビスカチャ」の意味・わかりやすい解説
ビスカチャ
びすかちゃ
plains viscacha
[学] Lagostomus maximus
哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目チンチラ科の動物。パラグアイ南端からアルゼンチン中部のパンパまでの草原に生息し、草や種子を食べる。頭胴長47~66センチメートル、尾長15~20センチメートル、体重は雄で5~8キログラム、雌で2~4キログラム。毛色は、上面は茶色から暗灰色と生息する環境により異なる。下面は柔らかく白色。顔には白黒の横縞(よこじま)がある。頭は大きくずんぐりし、四肢は短く、前後足ともに4指がある。15~30頭が、複数の出入口のあるトンネルを数百平方メートルの広さに掘って、コロニーで生活している。乳頭は胸部の体側に2対あり、妊娠期間は154日で、1産に200グラムの子を1~4頭産む。寿命は10年ほどである。
[土屋公幸]