普及版 字通 の解説
11画
[字訓] えびら・そなえる
[説文解字]
[字形] 象形
えびらの形。〔説文〕三下に「(そな)ふるなり」とし、字を「用に從ひ、(きよく)の省」に従うとする。は急勅(いましめる)意の字であるが、その形に従う字ではない。はその全体が象形で、(ふく)の初文。上は鏃(やじり)をならべた形、下は(ふくろ)の形。(えびら)を負って、戦いに赴く用意の整うことを「備わる」という。〔説文〕の「ふるなり」とする訓は、備の字に施すべきである。
[訓義]
1. えびら。
2. そなう、そなえる。
[声系]
〔説文〕に声として・糒・備・など四字を収める。(ふく)はいわゆる服牛。備八上は「愼むなり」と訓するが、えびらを負って出陣の準備がととのう意。は憊(はい)で、憊の甚だしいことをいう。みなの声義を承ける字である。
[語系]
・備bukは同声。はえびらに矢のある形。備はえびらを負って出陣に備える意である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報