出陣(読み)シュツジン

デジタル大辞泉 「出陣」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐じん〔‐ヂン〕【出陣】

[名](スル)戦い・試合に出ること。戦場へ向かうこと。「選挙戦出陣する」「学徒出陣
[類語]従軍挙兵旗揚げ蜂起出兵派兵遠征出征

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精選版 日本国語大辞典 「出陣」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐じん‥ヂン【出陣・出陳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 兵士がいくさに出ること。戦場に出ること。戦場へ向かうこと。
    1. [初出の実例]「出陣の時酌執事。御酒参らするには、左の膝をつきて参らする也」(出典:今川大双紙(15C前)酒に付て式法の事)
  3. 仏語禅宗で、論戦の場に出ること。
    1. [初出の実例]「禅客の出陣をながう御かきあったぞ蜂のきたんのことをかけたぞ面白出陣なり」(出典:玉塵抄(1563)七)

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改訂新版 世界大百科事典 「出陣」の意味・わかりやすい解説

出陣 (しゅつじん)

武士が戦場に赴くことをいう。一般に出陣にさいしては出陣式が行われた。これは戦陣作法の一つで戦闘に臨み武将以下士卒が行う士気高揚のための儀式であった。元来,陣とは公卿が禁裏に参内し列座する所の意味であったが,転じて軍兵の営屯する場所をさすようになった。陣営なる語がこれで,出陣とはまさにこの陣に赴く行為をいう。出陣の儀式が故事による式法にのっとり体系化されたのは後世のことである。出陣に臨み武将以下が列座し,鮑(あわび)・勝栗・昆布で三献の儀式が行われたことは《鎌倉年中行事》にも見えており,鎌倉時代以降しだいに一般化した。戦場への門出を意味した出陣式は,その酒肴品に語呂のよいものが選ばれた。江戸時代の故事書《軍用記》にも〈大将出陣の時は出陣の祝あり。式の肴にて三献参りて御祝あり。此の時甲冑を着して床几に腰をかけて三献参るなり〉とその次第が見えている。
先陣
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