ピュリツァー賞(読み)ぴゅりつぁーしょう(その他表記)The Pulitzer Prizes

知恵蔵 「ピュリツァー賞」の解説

ピュリツァー賞

アメリカの報道・文学・音楽の分野で卓越した業績を上げた人に対して贈られる賞。アメリカの新聞王・ジョゼフ・ピュリツァーの遺志に基づき、「ジャーナリストの質の向上」を目的に1917年に創設された。コロンビア大学に置かれた委員会が毎年4月に受賞者を発表しており、2016年の授賞で100回目。
受賞対象は、前年にアメリカ国内で発表されたもので、部門はこれまでに多少の変更を伴い、16年現在、報道で14部門、文学・音楽で7部門となっている。賞金は各1万ドルで、最も栄誉ある報道の公益部門の受賞者には金メダルが贈られる。
公益部門の受賞者としては、ウォーターゲート事件を報道したワシントン・ポスト(1973年)などが知られ、2016年はアメリカに供給される魚介類を巡る東南アジアでの奴隷労働を明らかにしたAP通信が受賞した。日本人の受賞者はいずれも報道写真部門で、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件の写真で受賞した毎日新聞長尾靖(1961年)、ベトナム戦争の写真で受賞したUPI通信の沢田教一(66年)と酒井淑夫(68年)の計3人がいる。

(原田英美 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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