ピラルクー(読み)ぴらるくー(その他表記)pirarucu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピラルクー」の意味・わかりやすい解説

ピラルクー
ぴらるくー
pirarucu
[学] Arapaima gigas

硬骨魚綱スズキ目オステオグロッスム科に属する世界最大級の淡水魚全長4.5メートル、体重200キログラムの記録があるが、現在普通に漁獲されるものは1.25メートル、40キログラム程度のものが多い。南アメリカのアマゾン川やオリノコ川流域とギアナに広く分布している。頭部縦扁(じゅうへん)して口は大きく、躯幹(くかん)部は丸太状、後部は側扁し、鱗(うろこ)には鮮明な赤い斑紋(はんもん)がある。ブラジルでピラルクー、ギアナでアラパイマとよばれるが、いずれも「赤い魚」を意味する。うきぶくろは長大で肺胞状の構造をしており、これを用いて空気呼吸をする。水底に直径50センチメートルほどの盆状の産卵床をつくって数十個の大形卵を産み、親魚が卵の保護をする。現地では最重要の食用魚の一つで、主として塩蔵して出荷されるが、近年乱獲のため資源量が減少するとともに魚体が小形化している。種の保護のため、ワシントン条約の付属書Ⅱにより国際取引が規制されている。

[多紀保彦]

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知恵蔵mini 「ピラルクー」の解説

ピラルクー

アロワナ科に属する淡水魚。アマゾン川流域に生息し、現地でPirarucuと呼ばれる。体長は最大3メートル以上、体重200キロに達することもあり、世界最大級の淡水魚とされる。体形は太長く、腹びれ・背びれ・尻びれなどが体の後方に集中している。大きく硬いうろこで覆われており、体色は緑・銀・黒など様々で、成魚は体の後方が赤くなる。食欲旺盛で、魚や小型の動物などを捕食する。浮き袋を使った空気呼吸もでき、1億年前とほとんど変わらない姿であり「生きた化石」とも言われる。ワシントン条約で保護動物に指定されているが、水族館などが飼育し人気となっている他、熱帯魚店などで個人への販売もされている。2016年11月には、新種が存在する可能性を示す論文が科学誌「Copeia」に発表された。

(2016-12-8)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピラルクー」の意味・わかりやすい解説

ピラルクー
Arapaima gigas; pirarucu; arapaima

アロワナ目アロワナ科の淡水魚。別名アラパイマ。南アメリカのアマゾン川流域に分布し,全長 4.5mになる世界最大の淡水魚。体は細長い。体色は銅褐色で,成長すると体の後半部は赤くなる。現地では食用とされ,美味。日本では観賞魚

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