日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピンクリボン運動」の意味・わかりやすい解説
ピンクリボン運動
ぴんくりぼんうんどう
乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進すること、乳がんについての理解の推進、乳がん患者・家族への支援などを目的として行われている世界規模の啓発キャンペーン。胸元などにピンクのリボンをつけてセルフチェックや定期受診を促し、乳がんに対する意識を高めるための運動である。アメリカで乳がんのために亡くなった患者の家族が、「このような悲劇が繰り返されないように」との願いでつくったリボンに端を発し、乳がん患者の多い欧米で1990年代に活発化した。アメリカでは1993年、ナショナル・マンモグラフィデー(10月第3週の金曜日)が制定され、国をあげて乳がん死を減らす運動が始まった。日本においても2000年代に入り、認定NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)や認定NPO法人乳房健康研究会などが中心となってピンクリボン運動を展開している。10月1日は「ピンクリボンデー」で、乳がんを啓発するウォーキングや、東京タワーやレインボーブリッジなどをピンク色にライトアップする取組みなどが行われている。
[渡邊清高 2019年10月18日]