日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンモグラフィ検査」の意味・わかりやすい解説
マンモグラフィ検査
まんもぐらふぃけんさ
mammography
乳房専用のX線装置を用いた画像検査。2枚の板で乳房を挟んで圧迫し、薄く伸ばして撮影する。片方ずつの乳房に対して複数の方向から撮影し、くまなく映し出すことで、触診ではわからない乳がんの発見や、がんの広がりの把握などに役だつ。
検査の結果は、カテゴリー1「異常なし」、カテゴリー2「良性病変のみ」、カテゴリー3「がんを否定できず(がんの確率は5~10%)」、カテゴリー4「がん疑い(がんの確率は30~50%)」、カテゴリー5「マンモグラフィ上はがん(がんの確率はほぼ100%)」の五つに分けられ、良性で明らかに治療の対象にならないものや、良性と悪性の区別がむずかしいものも含まれる。
日本においては現在、40歳以上の女性に対し、マンモグラフィ検査を含む2年に1回の乳がん検診が推奨されている。受検者の約8%に精密検査が必要と判断され、そのうち乳がんと診断されるのは4%程度とされる(受検者全体の約0.3%)。
乳腺(せん)が密集している「高濃度乳房」の女性や、乳腺が発達している若年者などでは、マンモグラフィの特性上、読影がむずかしい場合がある。
[渡邊清高 2019年10月18日]