四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「マンモグラフィ検査」の解説
マンモグラフィ検査
検診でも行われる乳がんの検査です。乳房を上下から圧迫するため、多少の痛みを伴いますが、数秒の我慢ですので安心してください。
乳がんの診断に行われる検査
乳房にしこりがみつかると、乳がんを疑います。乳がんを診断する検査がマンモグラフィ(乳房X線撮影)検査です。
乳がんのほとんどは、しこりによって発見されますが、しこりがあるからといって、すべてが乳がんというわけではありません。乳がんのしこりは、硬い無痛性の、表面や凹凸の境界がはっきりしないしこりが特徴です。
乳がんは淡い陰影として写る
乳がんは、やや不整な円形で、まわりがやや毛羽立った淡い影として 写り、多くは石灰化を伴います。大きさが2㎝を超えると、約70%はがんと考えられています。
マンモグラフィは、若年の人では乳腺実質が豊富にあるため、うまく検出できません。そのため超音波が行われます。50歳以上の人では、マンモグラフィのほうがはっきりと検出することができます。
乳がんとの鑑別が必要な病気としては、乳腺症、乳腺炎、良性の腫瘍などがあります。
乳房を圧迫して検査
検査着に着替え、ネックレスは外します。上半身裸になって乳房撮影装置の前に立ち、右の乳房を全体が写るように前に引っ張り、撮影装置の検査台にのせます。
乳房の厚みが4~5㎝になるように、乳房を圧迫筒で上下から圧迫します。そのため、痛みが伴いますが、我慢してください。撮影時間は1秒もかからず、圧迫は数秒間です。次に、左の乳房を同じように撮影します。
正面撮影が終わったら、斜位の撮影をします。右の乳房のときは左上から乳房を圧迫、左の乳房のときは右上から圧迫します。
すべての検査は数分で終了し、X線の照射は2~3秒で体に影響はありません。ときに、側面の撮影をすることもあります。
マンモグラフィは、左右の比較がとても重要で、必ず両側の乳房を撮影します。授乳中でも検査することができ、妊娠中は腰にプロテクターをして撮影します。
男性でも行う
乳がんは、ほとんど女性に発症しますが、まれに男性にもみられます(女性99%、男性1%くらい)。男性でも乳がんが疑われた場合は、同じような撮影方法で検査を行います。
定期的に自己検診を
検査当日の飲食は普通にとってかまいません。検査前後の注意もとくにありません。乳がんのリスクが高い人は高脂肪食をよく食べる肥満の人、初潮が早くきた人、出産の経験がない人、高齢で出産した人、閉経年齢の遅い人などが考えられています。
乳がんは自分で発見しやすいがんです。リスクのある人はもちろん、ない人も、定期的に自己検診をするようにしてください。20歳を過ぎた人は毎月、生理が終わって数日以内に、閉経後や生理のない人は毎月決まった日に、しこりの有無を確認しましょう。
疑われるおもな病気の追加検査は
◆乳がん→乳房超音波、超音波下
医師が使う一般用語
「マンモ」=マンモグラフィから
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報