改訂新版 世界大百科事典 「ファザーリー」の意味・わかりやすい解説 ファザーリーal-Fazārī 8世紀後半のアラブの天文学者。生没年は不詳。バグダードで活躍し,アッバース朝のカリフ,マンスール(在位754-775)に仕えた。当時この宮廷を訪れていたインド人天文学者とともに,インドの天文学書(おそらく《ブラーフマスプタ・シッダーンタ》)をアラビア語に翻訳した。訳書は現存しないが,《シンドヒンド・ジージュ》と名づけられ,初期のアラビア天文学に大きな影響を与えた。次の世紀にはギリシア天文学の伝統が主流となったが,インド的要素はその後も残った。執筆者:鈴木 孝典 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by