ファシン岩(読み)ファシンがん(その他表記)fasinite

岩石学辞典 「ファシン岩」の解説

ファシン岩

ネフェリンに富むジャキュピランジャイトに相当する岩石で,顕晶質でAl2O3成分に富み,チタンオージャイト(65%)とネフェリン(15%)を主成分とする.他に黒雲母,橄欖(かんらん)石,アルカリ長石などを伴っている[Lacroix : 1916].1902年にラクロアによってイジョラ岩と記載されたが[Lacroix : 1902],1907年にローゼンブッシュは誤ってベキンキナ岩(bekinki-nite)と命名した[Rosenbusch : 1907].ベキンキナ岩とは角閃石とアナルサイムを含まないことが異なっており,これは産地が混乱した結果である.マダガスカル,アムパシンダヴァ(Ampasindava)に産する.fasyはマダガスカルの方言で砂の意味である.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android