フェストゥス(その他表記)Sextus Pompeius Festus

改訂新版 世界大百科事典 「フェストゥス」の意味・わかりやすい解説

フェストゥス
Sextus Pompeius Festus

2世紀後半のローマの文法家。生没年不詳。フェストゥスの名が今に伝わる理由は,彼よりおよそ200年前のアウグストゥス帝の時代に活躍した著名な文法家で,帝の孫たちの家庭教師もつとめたフラックスVerrius Flaccusが著したラテン語辞典《語の意味について》を要約,編纂したことによっている。しかし,彼自身が書き加えた項目はまれにしか見られない。フェストゥスの編纂した《語の意味について》は記載語をアルファベット順に並べてあり,20巻にまとめられていたが,現存するのは第12巻以降のみである。この辞典は,8世紀にディアコヌスPaulus Diaconusがフェストゥス版をさらに8巻に要約しており,古代においてすでに広く利用されていたことを示している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

グリーンランド

北大西洋にある世界最大の島。デンマーク自治領。中心地はヌーク(旧ゴートホープ)。面積217万5600平方キロメートルで、全島の大部分は厚い氷に覆われている。タラ・ニシンなどの漁業が行われる。グリーンラ...

グリーンランドの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android