フェーズドアレイレーダ(その他表記)phased-array radar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェーズドアレイレーダ」の意味・わかりやすい解説

フェーズドアレイレーダ
phased-array radar

目標の方位高度距離測定を同時に行なえるレーダシステムの一つ。多数の放射素子を平面上に配列したアンテナを持ち,従来のようにアンテナを回転することなく,放射素子についている移送器を電子的に制御することにより,アンテナのビームを形成すると同時に,1面のアンテナで 90度以上の広範囲をカバーでき,ビーム走査に基づき,目標を捕そく・追尾できる。目標からの反射波を受信するときは,電子スイッチで自動的に切り替え,目標から距離情報を得る特徴を持つ。この方法のアンテナとは異なり,アレイ素子ごとに送受信モジュールを持ったアンテナで構成される最新型のシステムを,アクティブフェーズドアレイレーダという。これには,アレイ素子の送信機モジュールのいくつかが故障しても全体のシステムには,ほとんど影響がないという特徴がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android