改訂新版 世界大百科事典 「フォックスハウンド種」の意味・わかりやすい解説
フォックスハウンド[種]
foxhound
キツネ猟犬。原産地がイギリスのものとアメリカのものの2種がある。
イングリッシュ・フォックスハウンドEnglish foxhoundは,6世紀ごろから王族たちがキツネ猟に用いたハウンド種から出発し,18世紀の初期に現在の姿に育種されたイヌである。キツネ猟専門のイヌとして作られ,猟野でキツネを追い出す能力はきわめて正確で,そのうえスピードとスタミナを兼備している。体形はポインターによく似る。被毛は滑らかな短毛であるが,粗剛な毛質を交じえている。毛色は白地に黒と褐色の斑のものが多い。体高は約55~60cm,体重は約30kg。
アメリカン・フォックスハウンドAmerican foxhoundは新大陸開拓時代,移民とともにイギリスから移ったハウンド種を基礎に改良したイヌで,イングリッシュ・フォックスハウンドをアメリカナイズしたものではない。しかし容姿はアメリカンのほうがやや足が長いだけで,体格にも差はない。性質は穏和でなれやすく,近年アメリカでは医学,獣医学の教育や研究に大型の実験用動物として利用され始めている。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報