日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポインター」の意味・わかりやすい解説
ポインター
ぽいんたー
pointer
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1グループで、鳥猟に用いられる猟犬のなかでは、セッターと並んでもっともよく知られている。名称は、獲物を発見すると立ち止まって姿勢を低くし、鼻先を前方に伸ばし、尾を後方に伸ばして、前足の一方をあげて獲物の位置を指し示すようにするところからきている。イギリス原産のイングリッシュポインターがもっとも有名で、単にポインターというと本種をさすことが多い。バランスのよい体形をした、短毛、垂れ耳の犬種で、垂れ耳のために柔和な感じを与えるが、筋腱(きんけん)の発達はよく、持久力に富み、勇敢である。その持久力と勇敢さが買われて、土佐(とさ)闘犬の血のなかにも本種の血が導入されている。体高61~69センチメートル、体重22.5~24.75キログラム。毛色は、白地にオレンジ、黒、レバー色などの斑(はん)がある。そのほか、ドイツ原産のジャーマンショートヘアードポインターがよく知られている。体形はイングリッシュポインターに似ているが、尾を適度の長さに断尾する。体高53~64センチメートル、体重20~31.5キログラム。毛色は、白地にチョコレート色、レバー色の大小の斑が全身に散る。白地の部分は少なく、レバー色一色のものもある。鳥猟のほか、小獣猟にも用いられる。
[増井光子]