フランソアの壺(読み)フランソアのつぼ(英語表記)François vase

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランソアの壺」の意味・わかりやすい解説

フランソアの壺
フランソアのつぼ
François vase

古代ギリシア陶器の初期に属する黒像式陶器の代表的な壺。高さ 66cm。前570年頃の作と推定される。陶工エルゴティモスの作で,神話に取材した人物動物など 200以上の精細な図像が,壺全体に描き込まれている。アレッサンドロ・フランソアがイタリアのキウジで発見したのでこの名がある。絵には陶画家クレイティアス署名がある。フィレンツェ考古学博物館所蔵。

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世界大百科事典(旧版)内のフランソアの壺の言及

【エトルリア美術】より

…特に前6世紀後半からはイオニア地方の美術要素が濃厚に見られ,将来品としてのギリシア陶器が副葬品として数多く出土している。〈フランソアの壺〉をはじめとして,ヨーロッパの美術館に収蔵されているほとんどのギリシア陶器の優品は,エトルリア出土のものである。エトルリア出身の美術家で唯一名前の伝わるウルカは,前6世紀末に活躍した彫刻家(塑像)で,ベイオ出土のアポロン像は彼の作風を伝えていると考えられている。…

※「フランソアの壺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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