日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブストレーム」の意味・わかりやすい解説
ブストレーム
ぶすとれーむ
Erik Gustaf Boström
(1842―1907)
スウェーデンの政治家。ストックホルム州の富農の出身。1870年ストックホルム市議会議員、1875年下院議員となり、農民党に所属した。1880年代保護貿易主義派の指導者となり、1891年首相に就任。以後9年間安定した政権を主宰した。この間、保護貿易政策を実施して、1892年軍制改革を実現、また重工業の保護、軍備の近代化などを推進した。1895年の外交権をめぐるノルウェーとの対立では強硬な姿勢を示したが、1898年の商船旗問題(ノルウェーが商船旗から同君連合の記章の削除を求めた問題)ではノルウェーに譲歩した。普通選挙運動に対しては、柔軟な態度を示しつつも反対者にとどまった。1900年首相辞任後、ノーベル財団の初代議長。1902年ふたたび首相となり、前回よりは自由主義的な内閣を組織し、普通選挙問題とノルウェー問題に取り組んだが、いずれも解決できず1905年4月に辞任した。
[本間晴樹]