改訂新版 世界大百科事典 「ブラッザモンキー」の意味・わかりやすい解説
ブラッザモンキー
de Brazza's monkey
Cercopithecus neglectus
霊長目オナガザル科の旧世界ザル。額の部分に半月状の橙黄色の毛があり,その後部は黒く縁取られている。口のまわりには長く白いひげをもつ。頭胴長43~60cmの中型のサルであるが,オナガザル属の中では大型のほうである。カメルーンからウガンダ,ケニア西部に至る広域に分布し,沼沢林や川辺林に生息,樹上性であるが水泳は巧みである。昆虫なども食べる雑食性だが果実食の傾向が強く,土食いの習性も知られている。小集団で生活し,行動域は狭い。ゆっくりと静かに移動し,枝から枝へ跳び移るようなことはしない。捕食者の接近に対しては,茂みの中でじっとして動けなくなる,いわゆるフリージングと呼ばれる反応をするという。また,マーキング行動も観察されている。
執筆者:早木 仁成
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報