ブルンヒルデ(英語表記)Brunhilde

改訂新版 世界大百科事典 「ブルンヒルデ」の意味・わかりやすい解説

ブルンヒルデ
Brunhilde
生没年:550ころ-613

フランク王国アウストラシア分国王ジギベルトの妃。西ゴート王家出身。ブルニヒルデBrunichildeとも呼ばれる。妹ガルスビントもネウストリア分国王ヒルペリヒの妃となったが,妾フレデグンデFredegunde(550ころ-597)に暗殺された。王妃となったフレデグンデとブルンヒルデとの対立が動乱の原因となる。子ヒルデベルト2世および孫テウデベルト2世の後見人としてアウストラシアの実権を握る。貴族勢力に追われ,孫のブルグント分国王テウデリヒ2世のもとで再び権勢の座に就く。612年アウストラシアを征して,2分国の統一に成功したが,613年アウストラシア貴族に支援されたネウストリア分国王クロタール2世に敗れ殺害された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブルンヒルデの言及

【ジークフリート】より

… 《ボルスンガ・サガ》ではジークフリート(古北欧語ではシグルズSigurðr,Sigurd)は鍛冶屋に養われていて,あるとき竜を退治して宝物を手に入れる。旅の途上彼は,甲冑に身を包んだブリュンヒルトBrynhild(ブルンヒルデBrunhilde)を救い出し,彼女に結婚を約束する。ところが,ライン河畔のギューキ王の宮廷で忘れ薬を飲まされ,王女グズルーンGuðrún(クードルーン)と結婚する。…

【ニーベルンゲンの歌】より

…後半はクリームヒルトKriemhild(クードルーン)の復讐が主題で,その素材は12世紀中葉にドナウ川流域で書かれたといわれるブルグント族滅亡の叙事詩である。 ネーデルラントの王子ジークフリートは,ブルグント王グンテルGuntherのブリュンヒルトBrynhild(ブリュンヒルデ,ブルンヒルデ)との結婚を〈隠れ蓑〉の力を用いて助け,代りにその妹クリームヒルトとの結婚を許される。この2人の妃たちが夫の地位の上下を言い争った際に,ブリュンヒルトはクリームヒルトから結婚のトリックを知らされ,その恥辱ゆえにジークフリート殺害を企て,グンテル王の重臣ハーゲンHagenがジークフリートを殺す。…

【メロビング朝】より

…前回では,隣接して置かれた王都が,今回では各分国のほぼ中央部に移動しており,このことは各分国の分立的傾向の深まりを示している。とくに,東西分国の対立は,地中海沿岸所領および両聖都トゥール,ポアティエの領有争いと,東分国のブルンヒルデと西分国のラデグンデ両王妃の相克とに起因した。東分国では,王ジギベルト1世(在位561‐575)が西分国側の手で謀殺されると(575),貴族勢力が台頭し,指導権を掌握した。…

※「ブルンヒルデ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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