普及版 字通 「ベツ・バツ・やぶにらみ」の読み・字形・画数・意味
9画
[字訓] やぶにらみ
[説文解字]
[字形] 象形
目の上に呪飾を加えている形。巫女などが呪儀を行うときに、睫(まつげ)飾りなどを加えることをいう。〔説文〕四上に「目正しからざるなり」とあり、末(まつ)の音でよむという。(夢)・蔑の字はこの形に従い、視線の明らかでないような状態をいう。もと媚蠱(びこ)に関する字である。
[訓義]
1. まつげかざり、呪飾として巫女などに加える。
2. やぶにらみ、邪視、めもとが明らかでない。
[部首]
〔説文〕に・・蔑の三字を属し、〔玉〕に(ぼう)の字を加え、〔書、洛誥〕「汝乃ち是れ(つと)めず」の句を引く。また〔説文〕はを(ぼう)の省声の字として部に加えないが、声が異なり、この部に属すべき字である。
[声系]
〔説文〕に(べつ)声として(べつ)一字を収め、部のを+(しゆん)、また・・(こう)などをの省声の字とするが、声の合わないものが多い。はに従う字ではなく、の繁文とみるべき字。従って系統の字は、の省声に従うものではなく、に従う字とすべきである。はまた媚の初文と考えられ、夢・はみな媚蠱のなすところ、そのうなされる声をという。〔説文〕の・の声系には、混乱が多いようである。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報