世界の観光地名がわかる事典 「ベネチアのドゥカーレ宮」の解説 ベネチアのドゥカーレきゅう【ベネチアのドゥカーレ宮】 イタリア北東部、アドリア海に面した港町ベネチア(Venezia)の市街中心部のサンマルコ広場にある宮殿。◇「ドージェ宮(宮殿)」とも呼ばれる。サンマルコ大寺院の南隣にあり、ここはかつてのベネチア共和国(697~1797年)のドージェ(総督・頭領)の官邸、議会、行政庁、裁判所などが置かれた、政治の中心だった。ドゥカーレ宮は9世紀に共和国の政庁として建設されたのが始まりである。現在残っているイスラム建築の影響も残るゴシック様式の宮殿は1309~1422年に建設され、16世紀まで何度も改装を重ねた建物で、内部にはベネチア派の画家などの作品が多数残されている。世界最大の油絵といわれるティントレット(Tintoretto、1518~1594年)の「天国」がある大評議会の間をはじめ、いくつかの部屋を見学することができる。なお、ドゥカーレ宮の名称を冠する宮殿は、ベネチアのほか、ウルビーノ、マントバ、ジェノバにもある。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報