ベルセーオ(読み)べるせーお(その他表記)Gonzalo de Berceo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルセーオ」の意味・わかりやすい解説

ベルセーオ
べるせーお
Gonzalo de Berceo

スペインの詩人生没年不明で、没年は1252年以降。スペイン文学史上、筆頭にあげられる有名詩人。ログローニョ県ベルセーオ村の出身で、近くのベネディクト会修道院で教育を受けた以外、生涯についても不詳。聖エミリアヌス、聖ドミニクスらの聖人の生涯をラテン語原典から翻案し、詩形式で著した。代表作は『わが聖母の奇跡』。当時、聖母マリアの奇跡集がよく読まれたが、本書はスペイン文学におけるその代表的存在である。原典の奇跡集28話のうち四話を省略、スペイン古来の話を一つ加え、さらに原典にない導入部を書き起こし、みごとな詩形式でまとめている。作品を親しみやすくするため、地方色の濃いことばや諺(ことわざ)などを駆使している。

[清水憲男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排他的経済水域

略称 EEZ。沿岸国が水産資源や海底鉱物資源などについて排他的管轄権を行使しうる水域。領海を越えてこれに接続する区域で,領海基線から 200カイリの範囲をいう。沿岸国は,水中ならびに海底と地下の天然資...

排他的経済水域の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android