改訂新版 世界大百科事典 「ホシカメムシ」の意味・わかりやすい解説
ホシカメムシ (星亀虫)
pyrrhocorid bug
半翅目ホシカメムシ科Pyrrhocoridaeおよびオオホシカメムシ科Largidaeの昆虫の総称。ホシカメムシ科は単眼を欠き触角は4節。小楯板(しようじゆんばん)は小型。世界に約300種,日本には8種分布する。フタモンホシカメムシPyrrhocoris tibialisは体長8~9mmで体は灰褐色。名のように,前胸背の前葉に黒色の2紋がある。前腿節は太く下面に一刺列がある。地表や石下に生活し群生する。アカホシカメムシ属Dysdercusの種は赤色で半翅鞘(はんししよう)上に黒色の小円紋があり,世界各地でワタ類の害虫として知られ,南西諸島,台湾などには小型のヒメアカホシカメD.singulatusがふつうである。オオホシカメムシ科は雌の腹部第7腹板が正中線に沿って裂ける特徴があり,世界に約100種,日本には4種いる。オオホシカメPhysopelta guttaは体長15~19mm。橙紅色の地に黒い大紋がある。前胸背の後葉は背方に膨れ,前腿節は太い。近似種の小型なヒメホシカメP.cincticollisとともにアカメガシワの実で育ち,本州,四国,九州その他に広く分布する。
執筆者:長谷川 仁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報