改訂新版 世界大百科事典 「ホシガメ」の意味・わかりやすい解説
ホシガメ (星亀)
Indian star tortoise
Geochelone elegans
リクガメ科の陸生ガメで,カメの中ではもっとも美しいものの一つとされる。インド,スリランカに分布し,甲長は大きな雌で約25cm,雄で18cmほどでリクガメとしては小型。背甲は重くて,ドーム形に盛り上がって各甲板には黒地に黄白色の放射状の斑紋があって美しい。腹甲にも同様の斑紋がある。甲の模様は枯草の多い場所では保護色となるが,孵化(ふか)したばかりの幼体にはまだ斑紋は現れていない。早朝や夕方に行動し,草や果実などの植物質を食べる。6~10月ごろに3~6個を産卵する。現在では個体数が減少し保護下にある。日本で飼育されるのはミャンマー産のビルマホシガメG.platynotaで,やや小型であり,背甲は黒色で放射状の模様が幅狭い。美しい斑紋がホシガメに類似するのは,マダガスカル産のホウシャガメG.radiataで,甲長約40cm,やはり数が減少し保護されている。
執筆者:松井 孝爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報