日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホシレンコ」の意味・わかりやすい解説
ホシレンコ
ほしれんこ / 星連子
bluespotted seabream
[学] Cheimerius matsubarai
硬骨魚綱スズキ目タイ科キダイ亜科に属する海水魚。奄美(あまみ)大島近海のみに分布するが、まれにしかとれない。体は強く側扁(そくへん)し、体高は高い。両顎(りょうがく)側部に1列の鋭い円錐(えんすい)歯があるが、臼歯(きゅうし)がない。背びれは12棘(きょく)10軟条。背びれの第3棘と第4棘は糸状に伸びる。背びれ棘部中央下の側線上方の横列鱗(おうれつりん)数は6~7枚。側線鱗は多くて、60~61枚。全長は70センチメートルほどに達する。体は銀色に反射する桃赤色で、背側面にやや大きい青色の円斑(えんはん)が不規則に散らばる。沖合いの水深50~200メートルの底層に生息し、おもに一本釣りで漁獲される。本種はセナガキダイ属Cheimeriusに属し、同じキダイ亜科のキダイやキビレアカレンコが属するキダイ属Dentexとは別属である。キダイ属は側線鱗数が46~50枚、側線上方横列鱗数が5枚、背びれ棘が伸長しないことなどでセナガキダイ属と区別できる。種小名のmatsubaraiは魚類学者・松原喜代松(まつばらきよまつ)に献名された。
[尼岡邦夫 2018年7月20日]