化学辞典 第2版 「ホスフィン酸塩」の解説
ホスフィン酸塩
ホスフィンサンエン
phosphinate
M[PH2O2]n.ホスフィン酸の塩.旧名,次亜リン酸塩(hypophosphite).アルカリ金属,アルカリ土類金属,Al,d,f遷移金属などの塩が得られている.Na塩一水和物Na[PH2O2]・H2Oは,工業的に黄(白)リンと石灰乳の混合物に,低温でNaOHやNa2CO3を作用させるなどで製造される.四面体型の [PH2O2]- を含むイオン結晶.一水和物[CAS 7681-53-0]は,P-O1.49 Å,P-H1.38 Å.∠O-P-O120°,∠H-P-H105°.水に易溶,エタノールに可溶.水溶液は中性である.還元性が強い.塩素酸塩などとの混合物は爆発性である.スチールやプラスチックなどへの無電極ニッケルめっきの還元剤など,各種の還元や,医薬品などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報