石灰乳(読み)セッカイニュウ(その他表記)milk of lime

デジタル大辞泉 「石灰乳」の意味・読み・例文・類語

せっかい‐にゅう〔セキクワイ‐〕【石灰乳】

消石灰水酸化カルシウム)の懸濁液。強アルカリ性で、消毒剤として用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「石灰乳」の意味・読み・例文・類語

せっかい‐にゅうセキクヮイ‥【石灰乳】

  1. 〘 名詞 〙石灰(水酸化カルシウム)の懸濁液。消石灰は水に溶けにくく、水と混合すると余分な消石灰は懸濁するが、水に溶けた消石灰が消費されると懸濁したものが溶け出すため、濃溶液と同様にはたらく。安価な強アルカリとして用途が広い。〔稿本化学語彙(1900)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石灰乳」の意味・わかりやすい解説

石灰乳
せっかいにゅう
milk of lime

石灰水、すなわち水酸化カルシウム(消石灰)の飽和水溶液に、多量の水酸化カルシウムを微粒子状に分散させた懸濁液をいう。水相の水酸化カルシウムの消費分を懸濁粒子がつねに補充していくことになるので、実際上濃厚な液と同じ働きをする。溶解度が低いという水酸化カルシウムの欠点を補い、安価な強アルカリとしての特性を生かすため工業的にもよく利用される。

[鳥居泰男]

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化学辞典 第2版 「石灰乳」の解説

石灰乳
セッカイニュウ
milk of lime

水に対する溶解度の低い消石灰の微粉末を懸濁させた乳状液.石灰水となっている水酸化カルシウムが消費されると,懸濁している水酸化カルシウムが溶けて補給されるので,濃厚溶液のはたらきをする.炭酸ナトリウム溶液のか性化によるカセイソーダ製造に用いられる.また,アンモニアソーダ法におけるアンモニア回収反応で用いる.そのほか消毒用,酸性ガス捕集用として使用される.[別用語参照]生石灰

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石灰乳」の意味・わかりやすい解説

石灰乳
せっかいにゅう
milk of lime

水に溶解度以上の過剰な消石灰 (水酸化カルシウム) を加え,かゆ状の懸濁液としたもの。溶解している水酸化カルシウムが消費されても,懸濁している水酸化カルシウムが溶解し,常に飽和濃度が保たれるので,アンモニア,フッ化水素塩酸亜硫酸硫酸などの捕集,回収,公害防止などにきわめて有効で,広く用いられる。消毒用にも多く使用される。

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世界大百科事典(旧版)内の石灰乳の言及

【水酸化カルシウム】より

…しかし溶けた部分は強いアルカリ性を示すので,最も安価なアルカリ源として工業上きわめて広く用いられる。この飽和水溶液を石灰水lime waterといい,また比較的少量の水と乳状に混合したものを石灰乳milk of limeと呼ぶ。水酸化カルシウムは容易に二酸化炭素と化合して水に不溶の炭酸カルシウムに変化するから,石灰水や石灰乳を空気中に放置しておくと炭酸カルシウムが沈殿してくる。…

※「石灰乳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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