ホタルガイ（読み）ほたるがい

日本大百科全書(ニッポニカ)

ホタルガイ
ほたるがい / 蛍貝
[学] Olivella japonica

軟体動物門腹足綱マクラガイ科の巻き貝。北海道を除く日本全国の外洋砂底の潮間帯にすむ。殻高20ミリメートル、殻径10ミリメートルぐらいで砲弾形。螺塔(らとう)は6階で、縫合に沿って細い溝を巡らす。体層は大きい。殻表は光沢があり、白地に不規則な紫褐色の縞(しま)があったり、青黒色の個体もある。軸を巻く縫帯は褐色。殻口は三角形状で広く、外唇は薄い。軸唇にはひだがある。蓋(ふた)は黄色で薄い。生時は殻を上足で覆っている。肉食性で、二枚貝の稚貝を食べ、卵は自身の殻に産み付ける。同属のムシボタルガイO. fulgurataは、15ミリメートルぐらいで小形。木目模様がある。両種とも名にはホタルとつくが、発光することはない。

［奥谷喬司］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のホタルガイの言及

【カワニナ(川蜷)】より

…ゆでた後，殻頂を欠き，殻口から吸って食用にしたが，現在は食用にされない。ホタルの幼虫が好んで食べ，カワニナのいるところにホタルが多いので，長野県にはホタルガイの名がある。また肺吸虫の第1中間宿主として知られる。…

※「ホタルガイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」