改訂新版 世界大百科事典 「ボシュ」の意味・わかりやすい解説
ボシュ
Juan Bosch
生没年:1909-2001
ドミニカ共和国の作家で,政治家。反共左派の政治家として,また作家として,ラテン・アメリカではよく知られている。トルヒーヨの独裁政治時代には長期にわたる亡命生活を続けた。1961年トルヒーヨの暗殺後帰国,62年の大統領選挙で勝利し,63年大統領に就任したが,7ヵ月後,右派の騒乱によって辞任に追い込まれ,亡命を余儀なくされた。65年,民主主義の復活を求める民衆運動が成功するかに見えたが,合衆国の軍事介入によって革命が抑圧され,ボシュは合衆国をはげしく非難する声明を発表した。66年の大統領選挙に再出馬したが,対立候補ホアキン・バラゲールに敗北を喫し,それ以後ラテン・アメリカ各地で亡命生活を続けるかたわら,文筆活動に入った。著作には《ペンタゴニスモ--帝国主義の代替物》(1961)ほか多数がある。
執筆者:神代 修
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報