ボリース(読み)ぼりーす(その他表記)Борис/Boris

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボリース」の意味・わかりやすい解説

ボリース
ぼりーす
Борис/Boris
(?―1015)

ロシアの聖者キエフ大公ウラジーミルの12人の息子の一人。弟グレープとともに、徹底的な自己犠牲によってキリストに倣う者として、ロシア正教会の最初の聖人となった。父からロストフ領土としてもらったが、父の死(1015)後、キエフ(現、キーウ)を支配した異母兄スビャトポルクSviatopolk(980ころ―1019)の送った刺客に殺された。自分の殺害計画について知りながらキリストの愛のために兄に逆らおうとせず、朝の勤行(ごんぎょう)中を襲われたという。その殉教物語『ボリースとグレープの物語』は古代ロシア文学の年代記や聖者伝に収められ、人々の深い信仰の対象となった。

[山川令子 2018年2月16日]

『レーベヂェフ編、除村吉太郎訳『ロシア年代記』(1979・原書房)』『E. BenzRussische Heiligenlegenden (1953, Die Waage, Zürich)』『A. D. Stender-PetersenAnthology of Old Russian Literature (1954, Columbia Univ.)』

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