ポイツ・イェガース症候群(読み)ポイツ・イェガースしょうこうぐん(その他表記)Peutz-Jeghers syndrome

六訂版 家庭医学大全科 の解説

ポイツ・イェガース症候群
ポイツ・イェガースしょうこうぐん
Peutz-Jeghers syndrome
(食道・胃・腸の病気)

 皮膚粘膜の色素沈着と消化管の過誤腫性ポリポーシスを合併する遺伝性の病気です。がんの高危険群とされており、消化管がん、卵巣がん、子宮がんなど多臓器にわたってがんが高率に合併します。

 ポリープは、胃から大腸までの消化管に発生しますが、とくに小腸が好発部位で、しばしば腸重積(ちょうじゅうせき)を合併し、イレウス腸閉塞(ちょうへいそく))症状や腹痛を起こします。そのほか血便、ポリープの肛門脱出を認めることがあります。

 色素沈着は口唇、口腔粘膜、四肢末端部に米粒大の黒褐色の色素斑として認められます。

 治療は、大きなポリープに対して内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除術)を行います。小腸ポリープについては、従来は開腹下で切除していましたが、最近では小腸内視鏡でポリープ切除することが多くなっています。しかし、腸重積と診断されれば手術の適応となります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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