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卵巣腫瘍 らんそうしゅよう ovarian tumor

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

卵巣腫瘍
らんそうしゅよう
ovarian tumor

卵巣に生じる腫瘍の総称。種類が非常に多く,これらを卵巣嚢腫と卵巣充実性腫瘍とに大別する。前者には多房性嚢腫,漿液性嚢腫がある。症状が少いため,婦人科受診時に偶然発見されたり,成人の頭ぐらいの大きさになり腹部の膨満から受診・診断されることも多い。

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百科事典マイペディアの解説

卵巣腫瘍【らんそうしゅよう】

卵巣に発生する腫瘍卵巣嚢腫と充実性腫瘍に大別される。後者は上皮性と非上皮性があり,非上皮性腫瘍繊維腫肉腫)は比較的少ない。上皮性腫瘍には卵巣癌(がん)のほか,卵胞ホルモンを分泌する顆粒(かりゅう)膜細胞腫,若年者に多い未分化胚細胞腫などがある。
→関連項目塩酸イリノテカン

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世界大百科事典 第2版の解説

らんそうしゅよう【卵巣腫瘍】

遺伝子など複数の原因で,卵巣に種々の大きさに増大する腫瘤が発生したものをいう。
卵巣腫瘍の種類]
 卵巣には良性,悪性を含めて,数多くの腫瘍が発生する。卵巣を形成しているおもな細胞,組織には表層上皮,卵細胞(胚細胞),性索間質(顆粒膜,莢膜細胞),間質(結合組織)などがあるが,これらがそれぞれ腫瘍化しうる。表層上皮の腫瘍化したものには卵巣囊腫や卵巣癌などがあり,最も発生頻度が高く,卵巣腫瘍全体の約2/3を占める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

卵巣腫瘍
らんそうしゅよう

卵巣に発生する腫瘍をいうが、これには多種多様な腫瘍が含まれている。卵巣はわずか母指頭大くらいの大きさの臓器でありながら、人体臓器中でもっとも多種類の腫瘍を発生し、種々の名称がつけられ、いろいろに分類されている。
 臨床的には、その経過から良性、悪性、中間性の三つに大別されるが、鑑別の困難なものもある。また、摘出した腫瘍の割面所見から病理学的に嚢胞(のうほう)性と充実性に二大別されるが、嚢胞性腫瘍は一般に良性経過を示し、一部に充実性部分のある嚢胞性腫瘍を含めて充実性のものは悪性または中間性の経過をとるとみられている。さらに、複雑な卵巣腫瘍が理解しやすい組織発生に基づく分類もある。すなわち、卵巣は主として表層上皮、胚(はい)細胞(卵細胞)、性腺(せいせん)間質、間質などの組織や細胞からなるが、腫瘍はこれらのそれぞれから発生する。表層上皮からは卵巣嚢腫や卵巣癌(がん)(腺(せん)癌)が発生するが、この表層上皮由来の卵巣腫瘍がもっとも高い発生頻度を示す。卵胞を形成する卵細胞からは未分化胚細胞腫、奇形腫、絨毛(じゅうもう)癌などが発生し、幼・小児期を含む若年者に多くみられる。顆粒(かりゅう)膜細胞や莢膜(きょうまく)(卵胞膜)細胞の性腺間質由来のものとしては、ホルモンを産生する腫瘍があり、早熟など女性化徴候を示すものと、男性化徴候を示すものなどが含まれる。間質を起源として発生するものには、線維腫や線維肉腫などがある。なお、これらはそれぞれ良性、悪性、中間性の経過を示す。
 症状としては、ホルモン産生腫瘍を除き、初期はいずれも無症状であり、腫瘍がこぶし大ないし小児頭大まで大きくなると下腹部にしこりを感じ、さらに大きくなると腹部膨満感もみられる。また、周辺臓器に対する圧迫症状(尿意頻数や便秘、下腹部痛や腰痛など)のほか、月経異常や子宮出血を訴えることもある。ときに合併症として卵巣と子宮をつなぐ軸索がねじれて茎捻転(けいねんてん)をおこし、突発的に下腹部の激痛などを訴えることがあり、緊急手術を要する。
 なお、ホルモン産生腫瘍にはエストロゲン産生腫瘍とアンドロゲン産生腫瘍があり、前者では幼女の早熟、成熟女性の子宮内膜増殖症、閉経女性の再女性化(乳房腫大など)がみられ、後者では希発月経や乳房萎縮(いしゅく)などから陰核肥大や多毛などの男性化がみられる。また、絨毛癌では絨毛性ゴナドトロピンを産生するので、妊娠様の症状がみられる。
 卵巣腫瘍の診断は、婦人科診察(内診)によって骨盤内の腫瘤(しゅりゅう)が触知されるが、超音波断層撮影やCT検査なども行われる。また、卵巣腫瘍の約80~90%は良性であり、生命の危険は少ないが、悪性化した場合の治癒率が比較的低いので、早期発見が重要であり、治療には手術療法と化学療法を組み合せる方法が一般的である。[新井正夫]

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世界大百科事典内の卵巣腫瘍の言及

【卵巣囊腫】より

…良性の卵巣腫瘍の一つで,卵巣の表面をおおっている上皮(表層上皮)が腫瘍化し,腫瘍を切り割ったとき,割面に充実部がなく,囊胞性で,その中に,水様またはゼラチン様,あるいは古くなった血液がたまった囊胞性腫瘍をいう。卵巣腫瘍の約2/3を占め,30~40歳代に好発する。…

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