日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクシモビチ」の意味・わかりやすい解説
マクシモビチ
まくしもびち
Карл Иванович Максимович/Karl Ivanovich Maksimovich
(1827―1891)
ロシアの植物学者。1849年ドルパト大学を卒業、同大学の植物園に勤務ののちペテルブルグの王立植物園に転じ、同植物園の植物標本収集のためダイアナ号に乗って世界周航にたち、南アメリカを回りホノルルを経てハバロフスク地方デ・カストリーに上陸、アムール川地方の植物を調査した。1859年、1860年に再度陸路を経てアムール川流域を調査。1861年(文久1)には北海道箱館(はこだて)に達し、その後、九州に至る日本列島の植物を調査、1864年に海路イギリスを経て帰国した。帰国後、王立学士院会員、植物園部長などを務めながら調査結果の整理発表に尽くし、没後にその完結をみた。その成果は日本の北方植物相研究の基礎となった。
[佐藤七郎]