マクロライド殺虫剤(読み)まくろらいどさっちゅうざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクロライド殺虫剤」の意味・わかりやすい解説

マクロライド殺虫剤
まくろらいどさっちゅうざい

殺虫剤を化学構造に基づいて区分したときの分類の一つ。マクロライド殺虫剤は、放線菌より単離された殺虫・殺ダニ・殺線虫活性を有する16員環マクロライド同族体を有効成分とする殺虫剤の総称である。同族体の種類とそれらの混合割合によりアバメクチン、エマメクチン、イベルメクチンおよびミルベメクチンが存在する。とくに、マツノザイセンチュウに効果のあるミルベメクチンやネマデクチンは、松枯れの防除剤として使用されている。その殺虫作用の詳細は不明であるが、アベルメクチンやミルベマイシンは、γ(ガンマ)-アミノ酪酸GABA(ギャバ):gamma-aminobutyric acid)受容体やグルタミン酸受容体の塩素イオンチャネルを開いた状態にする活性があることが知られている。

[田村廣人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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