イベルメクチン(読み)いべるめくちん(英語表記)ivermectin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イベルメクチン」の意味・わかりやすい解説

イベルメクチン
いべるめくちん
ivermectin

感染症を媒介する線虫など寄生虫の活動の抑制に働く「エバーメクチン」を基に、アメリカの製薬会社によって開発された寄生虫駆除薬。マクロライド系抗生物質である。最初は家畜イヌなどに対して、フィラリアなどの感染症を媒介する寄生虫を駆除するために用いられていた。その後、人体にも効果があることが確認されたため、感染症に対する特効薬として世界的に普及した。とくに、ブユやカが媒介し、線虫によって引き起こされるオンコセルカ症リンパ系フィラリア症(象皮病)など、WHO(世界保健機関)によって「顧みられない熱帯病」に指定されている寄生虫による感染症に著効を示す。一般にはヒゼンダニが媒介し急性のかゆみを伴う疥癬(かいせん)の特効薬としても知られる。

[編集部 2016年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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