マハールワーリー制(読み)まはーるわーりーせい(その他表記)Mahālwāriā

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マハールワーリー制」の意味・わかりやすい解説

マハールワーリー制
まはーるわーりーせい
Mahālwāriā

イギリスインドに導入した地税徴収方法の一つ。主として1830年代以降、北インド各地で施行された。マハールとは徴税単位のことで、通常は一村落が一マハールとされたが、たとえば村落の2分の1、4分の1といった単位を一マハールとすることも、また二か村、三か村をまとめて一マハールとすることもあった。地税はマハールを単位として一括して賦課されたので、一般的には村請(むらうけ)制度ということができる。村請された地税を村落内部の各農民にどう割り当てるかということは村落側にまかされていた。このような徴税方法が行われたのは、北インド各地には村落の全土地を独占的に所有する地主同族団というべき上層農民層が存在する場合が多かったからである。この地主同族団が村請された地税に対して連帯責任を負ったというのが実態であったということができる。この制度は19世紀末には崩れていき、個々の土地所有者が個別に地税を支払う制度に移行していった。

[小谷汪之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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