多数の者が共同で責任を負うこと。法律用語として、憲法上用いられる場合と民事法上用いられる場合とがある。憲法上では、内閣の連帯責任、つまり内閣が一体として議会に対して負う政治的責任のことをいう。国務大臣の全体が内閣を組織するということになると、内閣が統一的に行動することが必要であり、そのため内閣は行政権の行使について一体として責任を負うことがたてまえとされる。だれに対して責任を負うかは、統治構造によって異なるが、多くは議会に対して責任を負うとされ、とくに議会の信任を存立の基礎とする議院内閣制の場合は、内閣総理大臣を中心に内閣が一体として議会に対して責任を負うことが必然的となる。日本国憲法も「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」(66条3項)と定めた。それに対応して、国会は内閣の行動を批判・統制する権能をもつことになる。すなわち、質疑・質問、国政調査などが一般的な責任追及手段であり、もっとも強硬な方法は衆議院による不信任決議である。しかし、個々の国務大臣の責任を認めないわけではない。次に民事法上では連帯債務と同義に用いられ、連帯債務者の負う責任をさす。民法に、法人の理事等の連帯責任(民法44条)、共同不法行為者の連帯責任(同法719条)、日常家事債務の夫婦連帯責任(同法761条)などの用例がある。
[池田政章]
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
…個人および各種類の集団(民族や国家も含む)が相互的な依存関係のなかで形成している密接な結合状態をいう。連帯責任,階級的連帯,連帯主義などといわれる。相互に結びついている形態や結びつきの深さ,結びつきを左右する動機や根拠とその確定の程度,その結びつきの媒体となる紐帯およびその紐帯の強さには,いくつもの種類とさまざまな度合がある。…
※「連帯責任」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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