マフィック(鉄,マグネシウム(苦)に富む)鉱物を多く含む岩石のことで,火成岩に対して用いられることが多い。苦鉄質岩ともいう。マフィック鉱物の量は40~70%ぐらいのものを指す。非結晶質岩の場合でもその化学組成がマフィック成分,例えばノルムのフェミック鉱物に富むものはマフィック岩と呼ばれる。マフィック岩はしばしばSiO2量による岩石の分類における塩基性岩とほぼ同義語に用いられる。マフィック細粒火成岩(火山岩)としては玄武岩やベイサナイトbasanite,同中粒火成岩としては粗粒玄武岩,同粗粒火成岩としては斑レイ岩などがおもなものである。これらを構成する主要な鉱物は,輝石,カンラン石,比較的Caに富む斜長石などである。
執筆者:久城 育夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この分類は,シリカの量に基づく分類の塩基性(45重量%<SiO2<52重量%),中性(52重量%<SiO2<66重量%),酸性(66重量%<SiO2)に近いが,必ずしも対応しない。シリカの量に基づくこの分類法では,例えばアルカリ岩と非アルカリ岩とで混乱が起こったり,輝石だけからなる超マフィック岩が中性岩になったりするのであまり適当ではない。 火成岩の主要構成鉱物は,マフィック鉱物(MgやFeを主成分として含む鉱物)としてカンラン石,輝石,角セン石,雲母,磁鉄鉱やチタン鉄鉱,またフェルシック鉱物として斜長石,カリ長石,シリカ鉱物(石英,トリデマイト,クリストバライト)などである。…
…おもなものは,カンラン岩,パイロクシナイト,コートランダイト,エクロジャイト,キンバーライト,コマチアイトなどで,カンラン岩とパイロクシナイトは,カンラン石と斜方輝石と単斜輝石の量比により,図のように分類されている。カンラン岩が変質してできた蛇紋岩も超マフィック岩に含まれる。超マフィック岩の大部分は貫入岩,あるいはアルカリ玄武岩やキンバーライト中の包有物(捕獲岩)として産する。…
※「マフィック岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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