マンガン肥料(読み)まんがんひりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンガン肥料」の意味・わかりやすい解説

マンガン肥料
まんがんひりょう

マンガンを主成分とする肥料をいい、硫酸マンガン肥料、炭酸マンガン肥料、加工マンガン肥料および鉱滓(こうさい)マンガン肥料等がある。微量要素のうちで肥料の主成分として取り扱われるのはマンガンとホウ素のみである。マンガン肥料の大部分は複合肥料そのほかの原料となることが多く、実際にはマンガン入り複合肥料として施用されている。マンガンは微量要素のなかでは要求量が比較的多く、しかも欠乏すると葉緑素の形成が阻害され生育が悪化する。老朽化水田や砂質土壌では欠乏症の発生がみられるところから、マンガン肥料の施用が効果的である。しかしマンガンは酸性で有効化するため、果樹園などではマンガン過剰に起因する異常落葉が発生することがあるので、使用にあたっては注意が必要である。

[小山雄生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

一粒万倍日

一粒の種子をまけば万倍になって実るという意味から,種まき,貸付け,仕入れ,投資などを行えば利益が多いとされる日。正月は丑(うし),午(うま)の日,2月は寅(とら),酉(とり)の日というように月によって...

一粒万倍日の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android