鉱滓(読み)こうさい(英語表記)slag

翻訳|slag

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉱滓
こうさい
slag

鉱石の製錬あるいはマット,粗金属の溶錬に際して,分離される不要成分の総称。これらの操業では多くの場合,原料中の不要成分と結合して融点低く流れのよい鉱をつくるために溶剤が加調される。その際,鉱滓は炉床で溶融金属と比重分離されるので,金属との比重差の大きい軽いものとし,また炉の耐火材料と反応して浸食することのないように溶剤の成分を調整しなければならない。鉄製錬の鉱滓はアルミナ,石灰 CaO,二酸化ケイ素 SiO2 を主成分とするが,非鉄製錬のそれはさらに酸化第一鉄を含む場合が多く,特殊な場合はそれぞれ特殊な成分の鉱滓ができる。一般に鉱滓中の CaO/SiO2 比を鉱滓の塩基度,その逆数を酸度といい,塩基度の強い鉱滓をつくる操業法を塩基性操業,酸度の強い場合を酸性操業という。炉の耐火材料は塩基性操業では塩基性 (ドロマイト,マグネシアなど) ,酸性操業では酸性 (ケイ石) とする。鉱滓中にほかの有価金属が含まれる場合はさらに再処理原料とされることもある (→鋼滓 , 高炉滓 ) 。なお湿式製錬の廃泥は選鉱廃泥と同様「ずり」と呼ばれるが,これもやはり鉱滓である。廃棄鉱滓中に有毒な薬品,金属イオンや硫黄,ヒ素などの鉱石成分が残るといわゆる鉱毒の原因となることがあり,その処理は煙害問題とともに製錬関係者の最も心しなければならないところである。また,これを活用して高炉セメント,泡立ちスラグスラグウール,スラグ煉瓦などの副産物をつくる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐さい クヮウ‥【鉱滓】

〘名〙 (「さい」は「滓」の慣用読み) 金属を溶融し精錬する時に出る、非金属性のかす。石灰、マグネシア、無水珪酸、アルミナなどが主成分で、煉瓦(れんが)やセメントを作る材料となる。スラグ。
※風俗画報‐二三四号(1901)足尾銅山の勝地「鍰撰鉱滓及廃石は洪水の最高点より三尺以上の高地に移送し」

こう‐し クヮウ‥【鉱滓】

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世界大百科事典内の鉱滓の言及

【産業廃棄物】より

…広い意味では事業活動に伴って生ずる廃棄物の総称であるが,日本では〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律〉(略称〈廃棄物処理法〉)において,産業廃棄物とは,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物と定義されている。政令では,上記の6種類に加えて,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,動植物にかかわる不要物,金属くず,ガラスおよび陶磁器くず,建設廃材,鉱滓,家畜の糞尿(ふんによう),家畜の死体などの13種類が指定され,合計19種類に分類されている。厚生省の調査によれば,日本の1993年度における産業廃棄物の排出量は総計約3億9700万tである。…

【スラグ】より

…のろ,滓(さい)とも呼ばれる。また非鉄製錬の場合は鍰(からみ),とくに粗金属等を製造する過程で発生するものは鉱滓(こうさい)という。表に各種金属製錬で発生するスラグの組成例を示す。…

【製鉄・製鋼】より

…さらに下方に降下し温度が高くなると,コークスの炭素で還元(直接還元)されて溶解し,炭素を吸収して融点が下がり,溶銑となって下方に落ちていく。一方,脈石成分SiO2,Al2O3などは石灰石中のCaOと結合し,融点の低い,粘性のよいスラグ(鉱滓ともいう)となり,コークス塊の間を流れ落ちる。滴下した溶銑,スラグは炉底にたまるが,比重の違いで分離し,適当な時間帯で炉底から出銑,出滓する。…

※「鉱滓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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