葉緑素(読み)ようりょくそ(英語表記)chlorophyll

翻訳|chlorophyll

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「葉緑素」の解説

葉緑素
ようりょくそ
chlorophyll

クロロフィルともいう。植物の緑色色素で,光受容色素として働く。ポルフィリンに各種側鎖がつき,中心にマグネシウムが配位した物質で,側鎖などの差によってa (固体は青黒色) ,b (緑黒色) ,c (赤黒色) およびdがある。高等植物や緑藻はaとb,褐藻はaとc,紅藻はaとd,藍藻はaのみを含む。光合成細菌は,また別種バクテリオクロロフィルを含む。光受容にあたっては,葉緑体内の膜構造であるラメラ中で,葉緑素は蛋白質と結合して,P600,P570などと呼ぶ色素体として作用する。なお抽出葉緑素は着色剤,防臭剤,カラーフィルムの感光剤,フィトール (ビタミンEおよびKの合成原料) の原料などとして市販されている。

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百科事典マイペディア「葉緑素」の解説

葉緑素【ようりょくそ】

クロロフィルとも。藻類と緑色植物の緑色部に含まれる色素で,細胞の葉緑体グラナに見いだされる。マグネシウムを含むポルフィリンとフィトールのエステルでヘモグロビンに構造が類似。側鎖の違いによりa,b,c,dなどに分けられる。aは植物界一般に,bは高等植物,シダ,コケ,緑藻に,cは褐藻,ケイ藻に,dは紅藻に分布する。葉緑素は光合成に際し光のエネルギーを捕捉し,化学エネルギーに変える役割を果たし,生物界におけるエネルギー供給の重要な働きを行っている。口腔防臭剤として歯みがき,チューインガムなどに配合される。
→関連項目ウィルシュテッター防臭剤ポルフィリンマグネシウム

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精選版 日本国語大辞典「葉緑素」の解説

ようりょく‐そ エフリョク‥【葉緑素】

〘名〙 植物の葉の葉緑体の中に含まれる緑色の色素。肉芽組織の新生や、悪臭を除く作用があるので、創傷面に用いられたり、胃潰瘍、貧血の治療に用いられたりする。クロロフィル。
※春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉真空溶媒「草はみな葉緑素を恢復し」

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デジタル大辞泉「葉緑素」の解説

ようりょく‐そ〔エフリヨク‐〕【葉緑素】

植物の葉緑体の中に含まれる緑色の色素。化学構造はマグネシウムをもつポルフィリンで、構造の一部が異なる4種がある。赤および青紫色の波長の光線を吸収して光合成に重要な役割をする。クロロフィル。
[類語]色素クロロフィルカロテンメラニン

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世界大百科事典 第2版「葉緑素」の解説

ようりょくそ【葉緑素 chlorophyll】

光合成生物がもつ同化色素の一種。クロロフィルともいう。4個のピロールがメチン基で結合した環状テトラピロールにシクロペンタン環がついたホルビンの誘導体で,テトラピロール環の中央にMg原子が1個配位し,ピロール環IVのプロピオニル基にフィトールまたはファルネソールがエステル結合したもの。自然界には表1,表2に示すような多種類の葉緑素および類縁物質が分布している。葉緑素の基本的な構造は今世紀初め1913年にドイツの化学者ウィルシュテーターR.WillstäterとシュトールA.Stollにより明らかにされ,後に30年代にH.フィッシャーらによって確定された。

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知恵蔵「葉緑素」の解説

葉緑素

クロロフィル」のページをご覧ください。

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